インデックス投資とは、日経平均やNYダウといった指数(インデックス)に連動した投資成果を目指す投資信託のことです。
インデックス投資は、運用のプロが独自にインデックスを上回るパフォーマンスを目指すアクティブ投資と違い、インデックスに従って機械的に運用するため手数料が安いことも魅力の一つです。
また、投資の神様バフェット氏が妻への遺言で「現金の10%を米国の短期国債に、残る90%を超低コストのS&P500のインデックスファンドに投資しなさい。」と残したことでも有名です。
そんな“投資初心者はインデックスファンドで投資を“というキャッチコピーがありそうなぐらい、注目を浴びているインデックス投資。
今回はインデックス投資の種類、メリット、デメリットについて解説していきます。
インデックス投資とは?
インデックス投資とは、日経平均やNYダウといった指数(インデックス)に連動した投資成果を目指す投資信託のことです。
近年、つみたてNISA、iDeCoと老後資金を貯めるための制度が誕生してから、注目を浴びているインデックスという言葉、直訳すると”指数”という意味です。
”指数” ???
全く意味が分かりません。
。。。。。
インデックスファンド
インデックス=指数
ファンド=集めた資金を運用して収益を還元する仕組み
代表的なインデックス(指数)
日本株式 | 日経平均株価(日経225、日経平均) | 日本経済新聞社が、東京証券取引所プライム市場に上場する約2,000銘柄の株式のうち、取引が活発で流動性の高い225銘柄を選定し算出する。(Wikipedia参考) |
日本株式 | 東証株価指数(TOPIX) | 東京証券取引所プライム市場に上場する株式の時価総額の合計を終値ベースで評価し、基準日である1968年1月4日の時価総額を100として算出する。(Wikipedia参考) |
米国株式 | NYダウ(ダウ平均株価) | S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス社が、アメリカのさまざまな業種の代表的な銘柄を選出し、ダウ式平均株価にて算出する。(Wikipedia参考) |
米国株式 | S&P500指数 | S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス社が、アニューヨーク証券取引所、NYSE MKT、NASDAQに上場している企業の中から代表的な500社を選出し、その銘柄の株価を基に算出する。時価総額加重平均型株価指数。(Wikipedia参考) |
米国株式 | NASDAQ(ナスダック)総合指数 | 全米証券業協会(NASD)が開設・運営している電子株式市場「NASDAQ」に上場している3,000以上の銘柄の全てを対象に、時価総額加重平均で算出する。(Wikipedia参考) |
下記は日経平均とダウ平均の株価の推移(株価指数)で、①はNYダウの値動きに連動する投資効果を目指すインデックスファンド、②は日経平均の値動きに連動する投資効果を目指すインデックファンドです。
確かにそれぞそれの指数と同じような動きをしてますね。
でも、どうして指数と同じようなう動きをすることができるのですか?
例えば、NYダウはアメリカの中の代表的な企業30社の株価の推移を表しており、このNYダウに連動するように作られたインデックスファンドの中身は、ダウの30社と同じ企業や、同じような値動きをする同業種の企業で構成されております。
なるほど!
確かに、ファンドの中身が目標とする指数と同じであれば、同じような動きをしますね。
アクティブファンド
アクティブ=積極的
ファンド=集めた資金を運用して収益を還元する仕組み
アクティブファンドは、運用のプロが独自に調査&分析をして投資先を選定して、インデックス(指標)を上回るパフォーマンスを目指す運用方法のことを言います。
インデックスファンドよりも高いパフォーマンスなら、アクティブファンドの方が良いですね!
いやいや!あくまで ”目指す” と言うことで、何も確約されている訳ではありません。
- ファンドマネージャーの手腕が運用成果に現れる
- 一般的に手数料が高い
この2点は代表的な注意点ですが、アクティブファンドはインデックファンドと比べると、高い運用成果を出してくれるファンドを見つけるための経験と知識が必要になります。
ETFとインデックスファンドの違い
ETFが上場している投資信託であるのに対して、インデックスファンドは非上場の投資信託です。
ETFへの投資方法は、株式に投資するときと同じ感じですか!?
下記2点は株式の取引に似ていますね。
- 市場価格(リアルタイム)で売買する
- 最低取引単位がある
基本的にETFもインデックスファンドも運用している中身は似ているのですが、最低取引単位がある、分配金の再投資の可否等、手続き方法には違いがある為、「投資初心者が少ない資金で定額を積立するときには、インデックスファンドの方が向いている」と言えると思います。
インデックス投資のメリット
- 投資初心者でも簡単に投資ができる
- 運用に掛かるコストが低い
- 継続した投資ができる(手間がかからない)
- 定額積立てができる
- 自動的に分散投資ができる
インデックス投資のデメリット
- リアルタイムでの売買ができない(意思決定からタイムラグがある)
- 短期間で大きなリターンを得ることが難しい
- 投資する期間が長くなるケースが多い
インデックス投資での失敗要因
定額積立てが出来るインデック投資で失敗する大きな要因は2つ
- 下落相場で投資をやめてしまう事
- 売却する時期をピンポイントで決めている
下げ相場こそ口数を稼ぐチャンス
インデックス投資の成績=口数×最終価格
売却時期の見極め方
インデックス投資の成績=口数×最終価格
歴史的に相場が下がり続ける事はなく、必ずどこかで反転しています。反転したタイミングで売却することができれば大きなリターンを得る事が出来ます。
なるほど!
下げ相場の時は、落ち込むのではなくワクワクしながら相場が反転するまで待ち、反転のタイミングは誰にも読めないから、売却のタイミングはピンポイントではなくある程度の期間余裕をみる必要がある。そうするとこの事例のように大きなリターンを得られる訳ですね。
インデックス投資の理想の利回り
実際にインデックス投資はどれくらいの利回りを見込めるものなのでしょうか?
これまた難しい質問がきましたね。。。
世界で最もメジャーな株価指数「S&P500]の実績を見てみると、1991年~2021年の30年間で約12倍、年率平均リターンは約9%となっています。
よく「理想は10%」「4~6%が妥当」などと言われておりますが、恐らく過去の指数の実績に基づいた「予想利回り」だと考えられます。
変化が激しい現代において「将来を予想」することは難しいですが、私個人的には5%前後のリターンで想定しております。
妥当な数値ですね!
その根拠は!?
はははは。。。
国際通貨基金が2021年7月に発表した「世界経済見通し(WEO)改正見通し」によると、世界の経済成長率は5%前後になると予想されていて、基本的に私のインデックスはアメリカを筆頭とした世界株式をチョイスしているので、同じようになるのではないかと考えています。
インデックス投資の種類
インデックス投資での成功=アメリカ株式に投資
このようなイメージが強いインデックス投資ですが、実はアメリカ株式以外にも、国内株式、国内外の債券、不動産など、多くの種類があります。
国内債券
日本国内の公社債に投資を行うインデックス投資です。
代表的な指数 → NOMURA-BPI総合指数
海外債券(先進国)
日本をの除く先進国の公社債に投資を行うインデックス投資です。
代表的な指数 → FTSE世界国際インデックス
海外債券(新興国)
新興国の債券市場に投資を行うインデック投資です。
代表的な指数 → JPモルガンGBI-EMグローバル・ダイバーシファイド
海外債券(ハイイールド)
主にドル建てハイイールド債市場に投資を行うインデックス投資です。
代表的な指数 → マークイット iBoxx 米ドル建てリキッド・ハイイールド・キャップト指数
マークイット iBoxx 米ドル建てリキッド・ハイイールド・キャップト指数とは
国内株式
日本国内の株式市場に投資を行うインデックス投資です。
代表的な指数 → 東証株価指数(TOPIX)
海外株式(先進国)
日本を除く先進国の株式市場に投資を行うインデックス投資です。
代表的な指数 → MSCIコクサイ・インデックス
海外株式(新興国)
新興国の株式市場に投資を行うインデックス投資です。
代表的な指数 → MSCIエマージング・マーケット・インデックス
国内REIT
日本国内の不動産投資信託証券市場に投資するインデックス投資です。
代表的な指数 → 東証REIT指数
海外REIT
日本を除く先進国の不動産投資信託証券市場に投資するインデックス投資です。
代表的な指数 → S&P先進国REIT指数
インデックス投資のやり方
- 証券口座を開く
- アセットアロケーションを考える
- ファンドを購入
- 基本放置、たまにチェック
証券口座を開く
証券口座はどこでもいいのでしょうか?
基本的にはどこの証券口座でもいいのですが、下記3点はおさえてください。
- 商品が多数ある
- 手数料が安い
- いつでもインターネットから取引が出来る
という事で、私のおすすめはネット系の証券会社の楽天証券とSBI証券です。
アセットアロケーションを考える
アセットアロケーションとは!?
資産配分の事で、どの種類のインデックスファンドにどれくらい投資するかを考えることを言います。
私のおすすめは、S&P500やNASDAQ100(ナスダック100)などアメリカを主とした先進国株式のインデックスを軸に考えたアセットアロケーションです。
ファンドを購入
ファンドはどのようにして選べば良いのでしょうか?
同じ指数に連動する事を目指しているファンドであれば、運用成果は同じような結果になると思います。ここで、重要になるのは手数料で、特に信託報酬が安いファンドを選ぶことが大事です。私のおすすめはeMAXIS Sllimシリーズやバンガード(Vanguard)社のインデックスファンドです。
基本放置、たまにチェック
何これ。。。。
ふざけてますか!?
ふざけておりません(><)
これは結構重要なことです。
インデックス投資の基本は中~長期間、相場に惑わされることなく定額積立てすることです。毎日証券口座を開いて基準価格をチェックすれば、相場に惑わされてしまいます。
一度設定したアセットアロケーションを信じて投資を継続するために、「基本放置」というスタンスで、明らかなトレンドの変化が起きた時や、1年に一度位、自分の資産推移を確認するために「たまにチェック」という表現をさせて頂きました。
インデックス投資のシミュレーション方法
ゴールからの逆算
例えば、「老後資金2,000万円を貯めたい」と思ったときに、下記の3つを考える必要があります。
- 毎月の積立金額
- 運用利回り
- 運用期間
この3つの数字を考える上で必要になるのがシミュレーションソフトで、私のおすすめは楽天証券の積立かんたんシミュレーションです。
初心者が投資信託を始めるなら、まずは「つみたてNISA」
現在インデックス投資の枠は総合口座、つみたてNISA、iDeCoと様々ありますが、これからインデックス投資を始める投資初心者はつみたてNISAの枠を使うことをおすすめします。
総合口座、つみたてNISA、iDeCoは投資信託を入れる箱だと思ってください。
- 総合口座→いつでも売却できるが利益に約20%課税される
- つみたてNISA→いつでも売却できて利益に課税されない
- iDeCo(イデコ)→掛け金が全額所得控除になるが基本的に60歳まで売却できない
なるほど~
入れる箱によって税金や現金化するタイミングが変わるということですね!
その通りです。
私が投資初心者の方に対して、投資信託を入れる箱として「つみたてNISA」をおすすめしている理由に下記の4つがあります。
- 政府が定めた基準をクリアした投資信託しかない
- 少額から無理なく始められる
- 運用期間に縛りがない
- 利益に課税されない
先ずはつみたてNISAの箱を使って、上限金額に達してから総合口座やiDeCoの箱を選択すると良いと思います。
参考記事
【わかりやすく解説】「iDeCo」「NISA」「つみたてNISA」とは?
楽天証券のつみたてNISAの始め方!おすすめ商品・買い方・やり方・シミュレーションなどまとめました!
楽天証券のiDeCoの始め方!商品・手数料・買い方などまとめました!
まとめ
投資をする上で、特別なスキル、能力、経験がない人は、先ずインデックス投資を考えてみてください。
「長期」「分散」「積立」という視野で投資をおこなえば「ドルコスト平均法」で感情に振り回されることなく安定的な投資を継続することができます。
投資をする上で、邪魔になるのが「損得感情」です。長期分散積立をインデックス投資でおこなうことで、この「損得感情」をかなり軽減することが可能になります。
- ファンドを決める
- 毎月の積立金額を決める
- その後は「基本放置、たまにチェック」
そして、出口戦略をしっかり考えることです。
出口戦略!?
投資信託を使ったインデックス投資の成績は「口数×最終価格」で決まります。
最後の出口時点での価格が投資の成績に大きく影響するため、出口のタイミングをピンポイントで設定してはいけません。
例えば65歳位の時期に使うお金を貯めるのであれば、60歳~70歳と前後5年位のバッファをみておく必要があります。
以上の点を注意すれば、リスクを最大限軽減できて、結果的に大きな資産を形成することができると思います。
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