車の維持費の平均は月3万円と言われています。
しかし、実際に際シミュレーションすると、車の維持費は普通自動車で毎月約3.7万円、軽自動車で毎月約3.1万円という結果になりました。
車を所有することで、「税金」「保険」など維持費用として必ず掛かる経費があります。
今回はどのようにシミュレーションをしたのか、実際にかかる経費の詳細について具体的な事例を用いて解説していきます。
車の維持費は「馬鹿らしい」「おかしい」と検索されている
GoogleやSNSで「車の維持費」について検索していると「高い」「馬鹿らしい」「おかしい」といった記事を見かけます。実際のところどうなんですか?
う~ん
これは価値観の問題なので、回答のしようがありません。
- たまにしか乗らない人→馬鹿らしい
- 良く乗る人→仕方ない
色々な考えがあると思いますが、税金、保険、法定点検費用と、一度も使用しなくても、所有しているだけで費用がかかりますし、人生という長い時間軸で考えると、車を所有する事は人生の3大支出(住宅・教育・老後)に次ぐ大きな支出になる事も考えられます。
車の維持費の内容
人生の3大支出に次ぐ支出!?
そんなにかかるんですか!!!
- 所有している事でかかる費用
- 使用する事でかかる費用
- 車が好きな事でかかる費用
色々な形で色々な費用が発生がしますので、具体的に説明します。
毎月費用
毎月の費用 ≒ 使用する事でかかる費用
ガソリン代(燃料費)
- 毎月どれ位の走行距離になるのか?
- 所有している車の燃費は?
ガソリン代といっても、環境によって結構変わりますので、一般的なファミリー家庭の例でみてみましょう。
年間の走行距離:6,000キロ(月間500キロ)
燃費:WLTCモードの70%計算
ガソリン代:160円(レギュラーガソリン)※2022年7月時点
WLTCモード?
何で70%なんですか?
WLTCモードとは、市街地走行、郊外走行、高速走行を考慮して考えられ平均的な燃費を出すときに使われる一つの指標で、最近多くのカタログで使われている燃費の値です。
実燃費をWLTCモードの70%にしているのは、私の経験値の中から、実燃費がカタログ値とイコールになることは難しく、大体70%位に収まる事が多いためです。
ガソリン車の場合
走行距離(500キロ)÷燃費(10キロ)×160円=8,000円
ハイブリッド車の場合
走行距離(500キロ)÷燃費(16キロ)×160円=5,000円
これなら絶対ハイブリッド車の方が良いですね!毎月3,000円の差、一年なら36,000円、10年なら360,000円の大きな差になります!!
ちょっと待ってください!
ガソリン車とハイブリット車の価格差が100万円です。税金の優遇などはありますが、初期投資額を考えると一概にハイブリッド車の方がコストが抑えられるとは言えません。
駐車場代
1都3県の平均値は約15,000円
駐車場代って結構するんですね。。。
私が車を持つなら、駐車場付きの戸建てを考えます!
そうですね!
ただ、自宅に駐車場がある人でも、その分の土地代として支払っているので、実は同じような費用を支払っていると考える事が出来ます。
洗車代
- 車が汚れていても気にならない人
- 常に綺麗でないと嫌な人
- 洗車の頻度
- 機械洗車or手洗い洗車
- プロに洗車を依頼
洗車代金は本当に人それぞれで、1年間全く洗車しない人もいますし、毎週する人、雨が降ったらする人、自分で手洗いする人、ガソリンスタンドの機械洗車、洗車のプロに依頼するなど、頻度とコストで0円~10,000円位の幅があると思います。ここでは参考まで私のケースを紹介します。
洗車頻度:天候にもよりますが月に2回程度
洗車費用(1回):ガソリンスタンドの機械洗車500円
その他費用:コーティング剤(WAKO’S バリアスコート)4,070円 ※半年分
月額平均:1,700円
ガソリン代が約8,000円
駐車場代が約15,000円
洗車代が約1,700円
毎月の費用として約20,000円!
年間費用
年間の費用 ≒ 車を所有している事でかかる費用
保険料
- 自動車損害賠償責任保険(自賠責)→車を所有する人に加入を義務つけられている保険
- 任意保険→自動車損害賠償責任保険でカバーできない部分を補填するために加入する保険
自賠責保険は、交通事故による被害者を救済する事を目的とされている保険で、車を購入するときや車検時に強制的に加入する事になり、下記の金額を保険額の上限としています。
- 障害による損害→120万円
- 後遺障害による損害→4,000万円
- 死亡による損害→3,000万円
ということは、テレビのCMで登場する自動車保険が、任意保険ですね!?
そうです。
よく言われる自動車保険は任意保険の事を指します。保険料が決まっている自賠責と違い、任意保険は、保険会社、年齢、過去の事故歴、免許証の色などによって保険料が大きく変わります。
今回はネット保険大手のアクサダイレクトを使い下記条件で保険料を試算してみました。
- 年齢30歳(男性)4人家族
- 免許証の色:ブルー
- 車種:トヨタ ノア(現行型2022年)
- 等6級※初めて保険に加入する場合の等級
- 運転者限定特約(主な運転者と配偶者限定※30歳以上)
- 年間走行距離5,000キロ~7,000キロ
- 車両補償あり
- ネット申し込み割引適用※2万円割引
自動車保険の費用は年間で約60,000円
自動車税
自動車税はエンジンの大きさによって変わります。
今回のシミレーションで使っているトヨタのノアでみてみましょう。
自動車税が年間で36,000円
メンテナンス費用
メンテナンス費用に関しては、使用者の性格や、使用頻度によって、1円もかけない人もいれば、数十万円かける人など、かなり変わりますので、ここでは参考まで私のケースを紹介します。
- オイル交換:8000キロ毎か1年に1回→10,000円※工賃、エレメント、添加剤含む
- タイヤ交換:状況次第※毎年かかる費用ではない
- 定期点検(1年に1回)→10,000円
メンテナンス費用が年間20,000円
という事は。。。
自動車保険:60,000円
自動車税:36,000円
メンテナンス費用:20,000円
年間での費用は合計116,000円
定期費用
定期費用として代表的なものは下記3つ
- 12ヵ月点検
- 24か月点検
- 車検
上記3つの検査は、自動車を保有する人に義務つけられているものになります。
義務!?
義務なのは車検だけと思いました!
もしやらなかった罰則はあるんですか?
罰則があるのは車検のみで、12ヵ月点検、24か月点検をやらなくても罰則はありません。
24か月点検は、車検の時に同時に行われるケースがほとんどですが、12ヵ月点検は意外と忘れらるケースがあります。最近の車は故障する事は殆どないと言われておりますが、車は時として人の命を奪う凶器になる事もあります。そうならない為にもしっかり点検する事を勧めします。
車検
- 販売店(ディーラー車検)
- 自動車整備工場
- ガソリンスタンド
- 自分で陸運局に持ち込み(ユーザー車検)
車検はどこにお願いするかで大きく変わってきます。
例えば、トヨタのノアを車検に出すとして、最も費用がかかる販売店でのディーラー車検で大体10万円~位、最も費用を抑えようと思ったら、法定費用だけで6万円以内に抑えられます。
同じ車の車検でも、最大で倍近く費用が異なることもあります。
これなら自分でやる方が良いですね!!
車検を通す≠しっかり整備
- 高速道路でバースト
- バッテリーが上がりエンジンがかからない
- 高速走行中にエンジンから煙がでて停止
車検が通る車でも、このようなアクシデントが起きます。しかし、事前にしっかり点検する事で、アクシデントの発生率をかなり減らす事が出来ます。
車検を通す事だけが目的なら、自分でやればコストを抑えられますが、私個人的には、時として命を奪う凶器にもなる可能性がある車に対しては、しっかり整備を行う事をお勧めします。
定期費用は100,000円位の予算で、しっかりメンテナンスした方が良いですね!
車の維持費の相場と内訳
- 毎月の費用
- 毎年の費用
- 定期費用
普通自動車はトヨタのノア
軽自動車ははホンダのN-BOX
- 新車で購入(5年間所有)
- 車両保険に加入(免許証の色ブルー)
- 月極駐車場代金(15,000円)
- 年間走行距離(6,000キロ)
- 月に1回洗車(1,000円)
- 12ヵ月点検でメンテナンス(15,000円)
このような条件で維持費の内訳をみていきましょう。
普通自動車の維持費の内訳(年換算)
年間で449,000円、毎月で考えたら約37,000円!!
軽自動車の維持費の内訳(年換算)
年間で368,800円、毎月で考えたら約31,000円!!
車の維持費は月3万以上必要?
車の維持費で大きなウェイトを占めるのは駐車場代です。
ただ、ここまで説明してきたように、仮に車庫付きの戸建てにお住まいでも、車庫分の土地代、車庫分の固定資産税がかかるので、結果的に同じような費用を負担する事になります。
そのように捉えると、安全に最低限度のメンテナンスを行い、1都3県で、車を所有すると、毎月の維持費は3万円以上かかると思います。
車の維持費のシミュレーション
車の維持費のシミレーションをする場合の項目
- 駐車場代
- ガソリン代
- 自動車保険料
- 自動車税
- 洗車費用
- メンテナンス費用
- 車検費用
維持費が安い車ランキング
車の維持費で一番大きく影響を受けるのが自動車税です。ここを下げる事が維持費の節約につながります。
- 軽自動車
- エコカー
- 普通自動車
見直せる維持費用
毎月3万円以上かかる車の維持費、どこか見直し出来るポイントはありますか?
今所有している車の維持費という観点で考えてみると、一番効果が出るのは保険の見直しですね。
保険
- ネット保険を選択する
- 車両保険を外す
車検
ディーラーで車検をしている人は、他の整備工場で見積もりを取って費用を抑える
駐車場代
近隣の駐車場で安いところがないか探す
ガソリン代
- ガソリンスタンドのクレカを作成するなどして割引を受ける
- 急加速などを避けて燃費の良い運転を心がける
燃費の良い車に乗り換えるのはどうですか!?
もちろん燃費の良い車に乗り換えれば、毎月の負担を抑える事は出来ますが、乗り換えにかかる費用が多くかかり、その費用をガソリン代で埋める事は現実的には難しく、結果的に多く費用を払う事になります。
まとめ
1都3県の一般的な環境下で車を所有すると、毎月3万円以上の維持費がかかると言われております。乗り出し300万円の車両を購入して10年で乗り潰したとしたら、10年間で掛かる費用は合計660万円。30年間で約2,000万円になります。
人生という長い時間軸で考えると、車を所有する事は人生の3大支出(住宅・教育・老後)に次ぐ大きな支出になります。
ご自身のライフプランを考える際の参考にしていただければと思います。
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