複利とは、元本についた利息に対して、さらに利息が付くことを言います。
複利は投資信託や株などの長期運用で特に効果を発揮します。
金利という言葉が登場するときには、必ずとと言っていいほど登場する「単利」と「複利」、今回はこの単利と複利について解説していきます。
複利とは?
複利を簡単に説明すると、元本についた利息に対して、さらに利息が付くことを言います。
複利(ふくり、英: compound interest)や重利(じゅうり)とは、複利法によって計算された利子のこと。複利法とは、元金(がんきん)によって生じた利子を次期の元金に組み入れる方式であり、元金だけでなく利子にも次期の利子がつく。したがって、各期の利子が次第に増加していく。投資や借金などでは、雪だるま式に利子が増えていくことになる。
Wikipedia 複利
意味
複利法の計算による利息のことで、重利ともいう。
利子と利息の違い
複利を説明する際に、「利子」と「利息」という言葉が登場します。両者は基本的に同じ意味合いを持ちますが、一般的には下記のような違いがあり、使い分けがなされております。
利子:お金を借りた際に支払う対価
例)金融機関からお金を借りた場合 → 利子を支払う
利息:お金を貸した際に受け取る対価
例)金融機関にお金を預けた場合 → 利息を受け取る
金利は「単利」と「複利」がある
金利には単利と複利があり、長い期間で考えると両者にはで大きな差が生まれます。
大きな差!?
単利と複利はどのような違いがあるんですか?
100円を金利10%で10年間、運用した場合、単利と複利でどれくらいの差が出るかみてみましょう。
【単利の利息】
1年後 100円×10%=10円
2年後 100円×10%=10円
3年後 100円×10%=10円
4年後 100円×10%=10円
5年後 100円×10%=10円
【複利の利息】
1年後 100円×10%=10円
2年後 (100円+10円)×10%=11円
3年後 (100円+10円+11円)×10%=12.1円
4年後 (100円+10円+11円+12.1円)×10%=13.31円
5年後 (100円+10円+11円+12.1円+13.31)×10%=14.641円
単利は常に元本が変わらないため、利息も変わりません。一方で、複利は利息を元本に組み入れてから、利息を計算するため、利息が増えていく事がわかると思います。
全然違いますね!!
10年でこれだけの差がつくわけですから30年ともなると。。。
元本の100円に30年間の利息を合計してみると、単利が400円で複利が1,745円になります。
4倍以上の差。。。。
複利の力って凄いですね。
アインシュタインが「人類最大の発明」と呼んだ
「複利は人類による最大の発明だ。知っている人は複利で稼ぎ、知らない人は利息を払う」
(“Compound interest is man’s greatest invention. He who understands it, earns it. He who doesn’t pays it.”)
この言葉を残したのが、金融のプロで、投資の神様と呼ばれるウォーレン・バフェット氏であれば、多くの人が納得したと思うのですが、何を隠そう、実は、相対性理論を発見したアルバート・アインシュタイン博士が残した言葉です。
単利と複利の差は短期ではそこまでつきません。しかし、時間が経つにつれて、その差は歴然。圧倒的な差を生みだします。これは金融の世界で起きていた事ですが、アインシュタイン博士は、資本主義社会の中で、人や企業が、進化に進化を重ねて急成長していく姿に、複利でお金が増えていくのに似た感覚を感じたのではないでしょうか。
複利効果で運用ができる投資商品とは?
複利運用をするためには、運用によって得られた運用益(分配金も含む)を投資した元本に上乗せして再投資する必要があります。
株式投資での配当金を再投資することは可能ですが、配当金だけの資金で、同じ株式に再投資するのは難しく、企業の経営状況によっては、配当が出ないことも考えられます。
安全な実物資産と言われている金投資は、そもそも利息を生まないため、再投資ができません。
【問題】 どんな商品が複利効果で運用できるのか?
【答え】 投資信託(分配金の再投資型) ※分配金の受取型は複利運用の効果が得られません。
投資信託×長期
複利運用の効果を得るためには、時間を味方につける必要があります。
つまり、長期間、相場に一喜一憂することなく、投資を継続する必要があります。
投資に失敗する人の共通点は、相場に一喜一憂して、継続的に投資が出来ない事です。自動的に決まった金額を積み立てする方法を選択すれば、相場に一喜一憂することなく、投資を継続することが出来ます。さらに、価格が変動する金融商品を一定期間、一定額を継続的に購入するドルコスト平均法で時間を分散すれば、高値掴みのリスクを軽減出来るので、長期(20年以上)の運用であれば、投資額に対してのリターンが下回る可能性は低くなります。
複利効果の運用と相性が良い金融商品
- iDeCo
- つみたてNISA
- 積立て投資信託(再投資型)
- 変額保険
半年複利とは?
半年複利とは、運用によってついた利子を、次期の元本に繰り入れるタイミングが、半年に設定されていることを指します。複利は利子を元本に組み入れてから、利子を計算するため、同じ期間であれば、利子を元本に組み入れる回数が多い方が有利になります。つまり、1年に1回、組み入れされる1年複利より、半年に1回、組み入れされる半年複利の方が複利効果が大きくなるという事です。
複利の計算式
複利計算の公式は、分野や状況によって色々な表現が使われます。
今回は、一般的な複利によって最終的な金額を出す公式をご紹介します。
複利計算に使う数字の表現
$a$:元金
$r$:金利
$n$:年数
$b$:最終的な金額
計算式
$\large{b=a(1+r)^n}$例題)
30,000円を年利率 2%で運用したとき10年後の金額を求めよ。
$b=30,000(1+0.02)^{10}≒36,570円$
計算サイト
計算式は分かりましたが、もっと長い期間の計算する場合は難しくなりますね。。。
そうですね!
そんなときは、計算サイトを使うと簡単に複利計算を行う事が出来ます。
暮らしに役立つ身近なお金の知恵・知識情報サイト(複利計算サイト)
複利のシミュレーション
複利効果を得るためには、「時間と金利」を味方にする必要があります。
①時間を味方にする
複利の効果を最大限に得るためには「時間を味方」にする必要があります。
早く始めた方が、毎月の積立金額だけでなく、積立てる総額まで少なくて済むんですね!
はい!これこそ時間を味方につけた複利効果です。
複利で積立をするのであれば、早く始める方が有利になります。
②金利を味方につける
複利効果を得るもう一つの要素が「金利」です。
なるほど。。。
いくら時間を味方につけても、金利が低ければ複利の効果が得られないのですね!
複利効果でお金を成長させる方程式は「原資」×「時間」×「金利」です。
複利のメリット・デメリット
アインシュタインが「人類最大の発明」と呼んだ複利ですが、複利効果を得るためには、基本的にプラス運用である必要があります。
メリット
資金効率が良い(お金が雪だるま式に増える)
デメリット
長期間資金が拘束されて動かせない
マイナス運用になると、複利効果が逆に作用して資金効率が悪くなる
マイナス運用になると元金が減ってしまう為、元本割れが起きる可能性が出てきます。複利効果を得るためには基本的にプラス運用であることが前提となっているという事で、決して万能ではないという事を覚えておいてください。
複利のやり方
複利のやり方はズバリ
運用によって得た「利息」や「利益」を引き出すことなく、元本に組み入れて再投資する事です。
運用によって得た「利息」や「利益」を引き出して使いたければ、単利を選択すればいいという事ですね!
そうです!
複利は雪だるま式にお金を増やすことができる可能性がありますが、運用で得た利息や利益を使えない。
一方、単利は複利効果を得ることができないが、毎回利息や利益を受け取り、その都度使える。どちらも一長一短ですね。
72の法則(元金を2倍にする為の計算式)
72の法則とは、複利を使った資産運用で、お金(元本)を2倍にするために、どれくらいの金利(年利)でどれくらいの期間を必要とするかを簡易的に計算できる法則の事を言います。
金利(年利)を計算する場合
72(法則)÷ 期間(年数)= 金利(年利)
例)
10年間でお金(元本)を2倍にする場合に必要な金利(年利)は?
72 ÷ 10 = 7.2
→ 年利7.2%で10年間運用すれば元本が2倍になる
期間(年数)を計算する場合
72(法則)÷ 金利(年利)= 期間(年数)
例)
年利7.2%でお金(元本)を2倍する場合に必要な期間(年数)は?
72 ÷ 7.2 = 10
→10年間、年利7.2%で運用すれば元本が2倍になる
という事は、今の普通金利0.001%で元本を2倍にするためには。。。
72 ÷ 0.001 だから。。。
72,000年!!!!
※2021年1月時点 三菱UFJ銀行 普通預金金利0.001%
まとめ
よく「お金が雪だるま式に増えていく」と表現される複利の凄さですが、複利の効果を最大限に発揮するためには、商品選択が重要になります。
複利効果はプラス運用でしか、その恩恵を受けることができません。
将来の事はだれにも分かりませんが、歴史的にみると生産年齢人口が増加すれば、経済が成長しております。
人口が減少している日本に対して、世界では未だに人口が増え続けていることを考えると、世界に投資(世界株式)していけば、今後もプラス運用で複利効果を得られるのではないでしょうか。
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