リノベーションのメリット・デメリットとは?

リノベーションのメリット・デメリットとは? 不動産

リノベーションのメリットはライフスタイルに合わせた間取りにできること、デメリットは躯体の構造上の問題でやりたい施工ができないことなどがあります。

中古マンションや中古戸建を購入して、新たな価値や個人のライフスタイルを住空間に取り入れる最近注目のリノベーション。

住宅購入は人生で最大の買いもの。そのため、ライフプランニングを考えるうえで、ここを間違えると人生は自由になりません。

住宅購入を資産運用と考える私は、メリットだけでなく、デメリット(リスク)をしっかり押さえる必要があると考えます。

FP 服部
FP 服部

一般的に言われるメリット、そして私が考えるデメリットを実際の経験から解説していきたいと思います。

よく言われるメリット

まずは、一般的なよく言われるメリットをご紹介します。

【メリット①】新築と比べると費用を抑えられる

新築と比べると中古で購入してリノベーションする方が費用が安くなると思っている方も多いのですが、実際はどうなのでしょうか?

不動産は同じものが2つとしてないため、完全比較が難しいということを前提としますが、インターネット検索で1ページ目に出てくるようなリノベーション会社で70平米のフルリノベをすると1,000万円~になると思います。

エリアによってもかなり変わりますが、都内の新築マンションと同立地、同様の広さの中古マンションにリノベーション価格を加えてみると、個人的には少し安いくらいのイメージです。

これは、資産性のある物件だと中古でも新築に比べて極端に安くならないということが影響しているためです。

この件に関していうと、良い物件を購入して、良いリノベーションをすると新築との差はそこまで出ないということになります。

【メリット②】新築と違って完成された物件を実際に確認して購入できる

中古物件の場合、実際に物件を見に行くことが可能なので、周辺住人の情報などを得たうえで購入でき、生活がイメージしやすいという点では私も同じ意見です。

しかし、注意しておきたい情報は他にもあります。

例えば、対象不動産がどのように修繕されてきたか今後どのように修繕されていくのかなど、見た目以外の情報もしっかり調査する必要があります。

【メリット③】ライフスタイルに合わせて、間取りをゼロベースから作ることができる

リノベーションは、躯体(マンションの構造上壊せないもの)以外をすべて壊して、自分好みの間取りを作ることや好きな設備を導入できるので、ライフスタイルに合わせた家づくりができるのは間違いなくメリットでしょう。

しかし実は、建物の構造によっては壊すことができないものもあります。内見時にある程度、取り除くことのできない柱や壁を把握する必要があります。

私が考えるメリット

上記で一般的によく言われるメリットを紹介しましたが、実際に私が自宅をフルリノベーションをして感じたメリットをお伝えします。

【実際感じたメリット①】自由な時間が増える

間取りを生活スタイルに合わせる事と、そこに便利な家電を組み合わせることで、家事の時間が減って自由な時間が増えます。

リノベーションでは家具を考えることも大事なのですが、家電が自由な時間をつくるので家具と同等以上に設計に組み込んだ方がいいのです。

【実際感じたメリット②】自由に使えるお金が増える

生涯収入に応じた適正な価格で購入することが前提ですが、リノベーションによって無駄な支出がなくなります(断捨リノベ)。

また資産として考えても、新築の価格変動は読めませんが、中古の価格は一定時期を過ぎると安定するので、資産性を維持しやすいという面もあります。

私が考えるデメリット

次に、これまでご相談に乗ってきたお客様からご相談を受けて感じたデメリットをお話しします。

【実際感じたデメリット①】購入してからリノベーションが完成するまでの間、住宅費が2重になる

リノベーション業者によって差はあるものの、私が見てきた例だと99%、予定より遅れるます。大体、不動産購入から住めるまでは4ヶ月~6ヶ月程かかります。

その間、購入した物件の支払い(多くは住宅ローン)と、現在住んでいる物件の支払い(多くは賃貸費用)が重なります。

※リノベーション期間は、業者次第ではありますが、個人的には無駄に設計の打ち合わせが長く、設計工程に時間がかかっているためと考えています。
※不動産購入+リノベーションは、住宅費の重複を考えるとどんなに遅くても3ヶ月で完成させたい。

【実際感じたデメリット②】解体してみたら、躯体の構造上、設計通りの施工ができないことがある

中古物件の中でも古いものは、建設当時のデータが完璧に残っていないケースが多いため、取り除ける壁や柱なのかは実際に中を見ないとわからない

壊してみて出たとこ勝負といったことがある。

※アスベストの使用の有無等(これは壊してみないとわからないケースが殆どだが、不動産購入時にある程度はチェックできる)

【実際感じたデメリット③】完成した実物が想像していたものと異なる

基本的に平面図での提案を受けることになるので、完成してみたらイメージと違うこともあります。

これは平面図だけでなく、パース(3D設計図)で提案してもらうことでギャップを埋めることができます。

【実際感じたデメリット④】見た目を重視したがゆえに、実際住んでみたら住みにくい

例えば、低価格でオシャレと思ってやってみた配管むき出しの施工をした場合、配管の上にホコリがたまって掃除が大変なんてことも…。

他にも、壁や天井を作らいないコンクリートむき出しのデザインも、実は上下左右の部屋からの音が響きやすかったり、エアコンの効きが悪かったり、結露が発生しやすいなどの問題もあります。

※リノベーションをする目的が、家事からの解放をテーマとしているのであれば配管むき出しや、突起している収納は避けるべき。

上記のようにメリットとデメリットがあるため、自身の優先順位がメリットに多く含まれる場合であればリノベーションという選択はおすすめです。

最後にワンポイントアドバイス

最後に、ファイナンシャルプランナーという立場と、実際に自宅をフルリノベーションした経験から、みなさんへアドバイスがあります。

不動産購入からリノベーションまでワンストップで担当してくれる会社を選ぶ

理想は担当者が不動産購入からリノベーションまで、つまり最初から最後まで一人の方が窓口を担当してくれる会社がいいでしょう。

理由としては、リノベーションというゴールから逆算して最適な物件を選んでもらえるからです。

例えば、最初の営業は自社、物件購入や予算算出は提携先のパートナーに、そのあとの設計・デザインはまた別の自社の担当者など、分業されている場合はゴールが各担当で違うという問題も起こります。

また、インターネット検索で実際にその会社で施工された方のクチコミをチェックすることも大事です。

全体評価が良かったとしても対策している可能性もあるので、良いクチコミと悪いクチコミのどちらもチェックすることで実態を知ることができます。

自身でリノベーションを経験した事のある設計者にお願いする

何事にも言えますが、自分事としてやったことのある人にしかわからないことはリノベーションにも多くあります。
下積み期間は誰にでもありますが、入社数ヶ月の設計者がプロと名乗って一人で設計している会社もあります。

私が本当に信頼できる設計者だと思えるのは、自分の会社でリノベーションを経験している方です。

自分の家庭環境を本当に共有できる設計者にお願いする

設計は専門知識が必要なため自分ではできない領域です。
そのため、ある程度の要望を伝えたあとは、設計者にすべて任せることになります。

その提案が本当に実用的なのかどうかは、設計者の過去の経験や実績を確認して判断するようにしましょう。

結婚や子育ての経験のない設計者は、実態としてその暮らしに必要な導線や問題を知っているわけではありません。

自分が求めている家庭環境を実態として理解していない方が設計すると、住みやすい家にはならないのです。

パース(3D)で提案してもらう

デメリットで前述した通りですが、パースで提案してもらうと完成した実物とのギャップが少なくなります。

住んでみてからリノベーションしてみる

どんなリノベーションが必要なのかは住んでみて初めてわかることも多くあるため、1年程度住んでからリノベーションに取り掛かると最も住みやすい間取りが作れると思います。

例えば、冬に意外と寒い部屋、夏の日差し対策が必要な窓など。季節をすべて経験しないとわからないこともあるのです。

ただし、引っ越し代が2回かかるのですが、個人的にはおすすめ。

FP 服部
FP 服部

不動産購入は人生で最大の買い物で、ヤフオクやメルカリで簡単に売れません。

成功の原則は準備にあり。

後悔のないリノベーションを!

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