新築マンションと中古マンションの違い
何を購入するにしても、新品は気持ちが良いものです。マンションも新築は視覚的にも嗅覚的にも新鮮でとても気持ちが良いです。モデルルームで未来をイメージするだけで幸せな気分になります。しかし、マンションに関しては、新築に中古が勝る点がいくつもあります。

今回は新築マンションと中古マンション、それぞれの特徴とそれぞれの利点について話していきます。
価格差
新築マンションと中古マンションの価格の平均値をみると、新築が高いことがわかります。首都圏の㎡単価で比較してみると新築 81.3万円/㎡、中古 51.46万円/㎡と中古マンションは新築マンションに比べて約36.7%、東京都の㎡単価で比較してみると新築 119.8万円/㎡、中古 67.81万円/㎡と中古マンションは新築マンションに比べて約43.3%安いことがわかります。


新築マンション。。。
価格が高過ぎて手が出ません(><)

新築マンションは、建築から販売までのプロセスを考えると、多くの販売経費が掛かる為、その分が販売価格に上乗せされて価格が高くなっております。
なぜここまで価格差が出るのか?
新築マンションと中古マンションの決定的な違いは販売経費と利益の差です。
一般的に新築マンションは購入して入居したら販売価格から20%価値が下落すると言われております。
- 広告宣伝費
- モデルルームの運営管理費
- 販売に係わる営業マン等に支払う人件費
- ディベロッパー(不動産開発業者)の利益
新築マンションは、販売価格に販売経費と業者の利益が含まれていて、その割合は販売価格の20%位と言われており、一般的にカギを回したら20%価値が下落すると言われております。

なるほど!
では中古マンションの販売経費と利益はどうなっているんですか?

中古マンションの販売経費と利益の仕組みは、基本的にメルカリに似ています。


確かにメルカリの仕組みに似てる!

はい!基本的な仕組みはメルカリに似てます。大きな違いは買い手にも手数料がかかるという事です。

中古マンションを購入する場合は、売主と買主の希望価格が一致した段階で、取引が成立します。取引を仲介してくれた、不動産会社に支払う手数料も開示されているため、不動産購入に使ったお金の内訳を把握しやすいです。
資産価値
資産価値を決める要件として、新築マンションと中古マンションでの違いは、築年数や建物の構造があげれますが、実はマンションの資産価値は新築も中古も、ほぼ立地で決まるといて過言ではないと思います。

※表面利回りは「新築分譲時の平均単価」と「相場坪賃料」から算出
※リセールバリューが同値の場合は、小数点第2位以下を参照し順位に反映している
画像引用元:東京カンテイ 2019年 中古マンションのリセールバリュー(首都圏)

建物は古くなっても、立地が古くなることはなりません。立地は唯一無二で需要があれば価値が下がることはありません。
資産価値が高い条件
- 人気エリア(山手線の内側)
- 交通の便がいい(駅からの距離が近い)
- 住民の属性が環境にあっている
- 建物管理がいい
- ブランド力がある
不動産購入時に掛かる税金(消費税)
不動産を購入するときに消費税がかかるケース
- 新築の不動産
- 中古の不動産を業者から購入する場合
※中古不動産を仲介等で購入する場合は、売主が個人の為、消費税がかかりません。
不動産購入後に掛かる税金(不動産取得税と固定資産税)
不動産取得税
新築でも中古でも、マンション等の不動産を購入してから、しばらくすると納税通知がくる地方税で、支払いは1回のみです。
不動産取得税(ふどうさんしゅとくぜい)は、地方税法(昭和25年7月31日法律第226号)に基づき、不動産の取得に対して課される税金で、普通税である。
引用元:Wikipedia 不動産取得税
50㎡~240㎡の要件を満たした、新築マンションと新耐震基準のマンション(1981年6月以降に建築確認を受けて完成した物件)は不動産所得税の軽減措置・特例が適用されます。
固定資産税
毎年、1月1日時点で、マンション等の不動産を所有している人に対して課税される地方税で、不動産を所有している間は、毎年支払います。
固定資産税(こていしさんぜい)とは、固定資産の所有者に課税される地方税である。(地方税法第343条第1項)
引用元:Wikipedia 固定資産税
50㎡~280㎡の要件を満たして、2022年3月31日までに完成した新築マンションは、5年間、固定資産税が半額になります。長期優良住宅は7年間、固定資産税が半額になります。
住宅ローンの金利
住宅ローン金利に関して、基本的に新築も中古も大きく変わることはありません。ただ、新築の物件の場合、販売しているメーカーが提携している銀行が多くある為、ローン申し込みまでの流れがスムーズです。中古物件の場合でも、仲介業者が提携している銀行があるケースもありますが、基本的には自分で銀行に足を運び、ローン審査を行う必要があります。
投資
- 住宅ローンを組んで購入した不動産で賃料収入を得ることは出来ません。
- 賃料収入を得たい場合は、現金での購入か、住宅ローンの返済後になります。

住宅ローンを組んで購入したマンションに、しばらく自分で住んでから人に貸すことは出来ないのですか?

はい!住宅ローンの資金は自分で住むという事を前提に貸し出しされているため、その目的を変えることは出来ません。人に貸して賃料収入を得るためには、一部の特例を除いて、住宅ローンを一括返済する必要があります。

一部の特例って何ですか?

海外転勤や親の介護の為にしばらく親と同居するなど、住宅ローンを組む時に想定していなかった事が起きた時に、金融機関に相談して、特例として許可が出た場合は、人に貸すことが出来ます。
新築マンションと中古マンションのメリット・デメリット
新築マンションのメリット
- 全てが新品で気持ちいい
- 固定資産税が5年間半額になる(適用要件あり)
- 最新の設備がついて10年間の保証がついている
新築マンションのデメリット
- 物件価格が高い
- 希望の部屋を買えないことがある
- 契約してから、実際に住むまで数年かかる事がある

基本的に新築マンションは建設中に契約して、数年後の完成を待ちます。そのため、部屋を決めるときは、実際の部屋をみる事は出来ないという事と、契約から住むまでに数年かかることがあります。

希望の部屋が買えない事があるって、どういうことですか?

人気エリアの新築マンション販売は、先着順ではなく、決まった日に購入希望者全員から希望の部屋を聞きます。その時に希望の部屋が重なってしまった時は抽選を行い、抽選に当たった人がその部屋を買えるという事になります。つまり、抽選に当たらないと希望の部屋は買えないという事です。
中古マンションのメリット
- 実際に部屋をみて判断ができる
- 購入後、直ぐに住める
- 購入前に、売主から、マンションの住民の情報を聞くことができる
- マンションがどのように管理されてきたか確認できる
中古マンションのデメリット
- 部屋が経年劣化している
- 設備が古い(オートロックが無い等)
- 固定資産税の軽減措置が受けられない
- ときめかない
新築マンションと中古マンションの諸費用

新築マンションと中古マンションで、購入時の諸費用に違いがありますか?

物件価格に対してかかる諸費用率はそこまで変わらないですが、諸費用の内訳に少し違いがでます。

新築マンションと中古マンションの選び方

新築マンションでも、中古マンションでも、物件を選ぶときに、必ず決めとかなくてはいけない、3つの条件があります。
- 安心予算(物件価格+所有期間中の費用総額)
- 場所(立地)
- 広さ(㎡数)
新築マンションの条件
- 購入金額に無理がないかしっかり見極める
- 所有期間中に修繕費の大幅な値上げがないか

新築マンションのモデルルームに行くと気分が上がりますが、ローンを組める金額と返済できる金額はイコールではありません。最近流行りのタワーマンションは20~30年後に修繕積立金が3~4倍になるケースもあります。物件価格以外に掛かる費用も考えて、安心予算を立てる必要があります。
中古マンションの条件
- 建物完成から現在までの管理状態をチェックする
- 変えられないところをしっかり把握する

中古物件を選ぶ上で、過去~現在の管理状態をチェックすることはとても大切です。適正な修繕が行われてきたのか、修繕積立金は計画通り積み立てられているか等、しっかりチェックしてください。立地、共用部分等リノベーションでも変えられないところを把握して納得していれば、部屋の中はリノベーションで新品に出来ます。
変えられないところをしっかり把握する→詳しくは
結局、新築マンションと中古マンションはどちらがの方がいいの?

それで、結局のところどっちがいいんですか?

どっちでもいいです!
自分が住む不動産を購入する上で、大切なことは、その不動産に資産性があるかという事です。つまり、負動産にならなければ新築でも中古でもどちらでも構いません。ほとんどの人は期間の長い住宅ローンを組んで、マンション等の不動産を購入します。この長い期間で様々な想定外が起きます。最近だと2009年のリーマンショック、2020年のコロナショック、100年に1度と言われるような出来事が12年間で2回も起きました。このような想定外が起きた時に負債だけが残るような負動産であれば、人生計画(ライフプランニング)が崩れてしまします。
まとめ

では質問を変えます!
新築マンションと中古マンションどちらが好きですか?

私は中古マンションを買ってリノベーションするのが好きです!
- 購入前に実際に物件が見れる
- 完成から現在までの修繕理履歴をみれば、資産性があるか把握できる
- 部屋の中はリノベーションで最新設備を備えた新品にできる
- リノベーションで自分のライフスタイルに合わせた部屋を作れる
- リノベーションで継続した断捨離できる


綺麗ですね!新築みたい!

築28年の中古物件を購入してリノベーションしました。壁を取り払い、広いリビングにすることで、明るく温かい部屋で家族は快適な時間を過ごせています。


とても管理がいい物件で、購入時はオートロックが付いていませんでしたが、現在はオートロックも付きました。現在は築36年の物件ですが、ニーズが多く、大規模物件にも関わらず、年間を通して売り物件は殆どなく、売り物件が出ても即完売してます。

なるほど!これこそが資産性のあるマンションという事ですね!
変えられないところも、管理が良い物件は、変わることがあります。最近では古い物件にも宅配ボックスが設置されて、新築マンションに負けない設備を持つ中古マンションも出てきております。新築マンション、中古マンション、人それぞれ好みはあると思いますので、結論どちらでも構いません。ご自身のライフプランニングとライフスタイルに合わせたベストな選択をして頂ければと思っております。

今回も最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
私のような中古物件購入+リノベーションというメソッドに、ご興味ある方は、以前書いた記事にリノベーションの費用の相場はどれくらい?安く抑えるコツとはがありますので参考にしてください。
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