「保険の見直し」は、よく聞くフレーズです。加入時にしっかり検討して契約した内容なのに、どうして見直しが必要になるのでしょうか。今回はその理由について解説していきます。
なぜ見直しをする必要があるのか?
保険加入時に、ある程度の事を想定して保険設計を行えば、頻繁に保険の見直しが必要になることはありません。
しかし、保険加入時の想定が曖昧であったり、想定外の出来事が起きる。また、環境や時代の変化に伴い、保険の見直しが必要になるケースもあります。
- 過剰な保障内容になっている
- 必要な保障が不足している
- ライフスタイルに変化があった
- 保険料を抑えたい
- 予定利率の変更
過剰な保障内容になっている
生命保険に加入する際に、現在地(現在の状況)を知る必要があります。
- 加入中の健康保険組合で受けられる保障
- 勤務先の会社で受けられる保障
どういうことですか?
会社員の場合、健康保険組合や会社から受けられる保障がある可能性があります。
このような保障を考慮することなく民間の生命保険に加入して、結果的に過剰な保障内容になっているケースが考えられますので、民間の生命保険に加入する前に、一度自分自身が受けれる権利(保障)を確認することをお勧めします。
必要な保障が不足している
生命保険の保障で、過剰な方と不足している方、どっちが多いですか?
個人的には不足している人の方が多いと感じております。
死亡保険金3,000万円と聞くと凄い保険のように感じますが、年収600万円の方であれば、5年間で稼ぐ金額です。
日々変化する世の中で、正確に生命保険の必要保障額を把握することは難しいですが、保険会社やFPが作るシミュレーションで近い数字を把握することは可能です。残された遺族が困らないように、一度しっかりとしたシミュレーション作成する事をお勧めします。
ライフスタイルに変化があった
これはわかります!
結婚、出産、子供の独立、あとは。。。離婚とかですよね!
基本的には合ってます!
しかし、生命保険は金融商品で唯一「健康でないと購入できない」商品です。
私は、この健康面の事を考慮して、保険を設計する際は、しっかりとした基礎(保険の土台)を作ります。基礎がしっかりしていれば、ライフスタイルに変化が起きても微調整で済むので、大幅な見直しををする必要が無くなります。
保険料(掛け金)を抑えたい
保険料を抑えるという事は、保障額を減らさないといけないんですよね?
いい質問ですね~
実はそんな事ありません。最近はタバコを吸わない人に対しての、割引保険料が大きくなってきました。タバコを吸わない人の場合、非喫煙型の生命保険に切り替えれば、同じ保障内容を維持しながら、保険料を抑える事が可能になります。
生命保険を見直すタイミングとは?
保険を見直す理由は分かりました!
ではどのタイミングが良いのでしょうか!?
これは中々難しいですね。。。
タイミングは人それぞれなのですが、下記タイミングで見直しが必要か検討するといいと思います。
- 結婚、出産等、家庭環境に変化があった(保障を増やす必要がある)
- 新しい商品がでたとき(コロナなどの新しいリスクに対応できる)
- 死亡率、予定利率等が変更された(見直すことで保険料が安くなる)
- 健康に自信が無くなってきた(最近のFP服部)
損しない年代別の注意点
生命保険は若い時に加入した方が良いと言われております。しかし、加入から払込終了まで更新がなく、長期的視野の元設計されたという事が前提になります。
場合によっては、見直した方が良い保険もあれば、見直しせず、継続した方が良い保険もあります。
ここでは、年代別で見直しする一般的事例とその対処方法について解説していきます。
30代
・結婚、出産により、死亡保障を増やすケース
→収入保障保険に加入(保険料の負担が低い/掛け捨て)
→終身保険・養老保険に加入(保険料の負担が高い/積立て)
・結婚、出産により、独身時代に加入した積立て型の保険料の負担が厳しくなるケース
→終身保険・養老保険の解約/払済
収入保障保険のような定期保険は、死亡率や予定利率の影響を受けて、見直すことで、若い時に加入した保険よりも毎月の保険料が安くなることがありますが、養老保険と終身保険に関しては、見直して保険料が安くなることはありません。保険料の負担を抑えたいときには、解約以外にも払済という選択肢があります。
若い時に良い利率で加入した保険を無駄に解約しないように気をつけてください。
40代
・結婚、出産による要因
→30代参照
・子供の教育費が必要になる(まとまったお金が必要)
→終身保険、養老保険(学資保険)の解約
・子供が就職して保障を減額するケース
→収入保障保険の解約/減額
・子供が就職して、老後資金を作るケース
→終身保険、養老保険、変額保険、個人年金に加入
→老後を見据えて、介護保険、医療保険に加入
50代
・結婚、出産による要因
→30代参照
・子供を要因とした環境の変化
→40代参照
・介護や病気のリスクに備える
→介護保険、医療保険に加入
・相続対策をしたい(生命保険の非課税枠を使いたい)
→終身保険に加入
生命保険を相談するならどこがいい?
- 費用をかける場合(有料相談)
- 費用をかけない場合(無料相談)
大きく分けると、この2つで分かれます。
費用をかける場合(有料相談)
生命保険の知識はあるが、販売資格のないファイナンシャルプランナーによる有料相談です。こちらの最大のメリットは営業されることなく、100%中立な立場で相談に乗ってくれることです。
費用をかけない場合(無料相談)
- 来店型保険ショップ(保険の窓口、保険市場等)
- 総合保険代理店(来店型でないもの)
- 保険会社直販(アクサ生命、ソニー生命、プルデンシャル生命等、1社専属の営業マン)
来店型保険ショップ(保険の窓口、保険市場等)
来店型保険ショップの特徴は、数多くの保険会社の取り扱いがあり、強い営業をしてこない傾向があります。
総合保険代理店(来店型でないもの)
総合保険代理店(来店型でないもの)の特徴は、数多くの保険会社の取り扱いがあり、営業マンの個性が強い(営業力が強く、幅広い知識がある)傾向があります。相談者の都合に合わせた場所と時間で相談できる事がメリットです。
保険会社直販(アクサ生命、ソニー生命、プルデンシャル生命等、1社専属の営業マン)
1社専属の為、総合的な商品力は来店型保険ショップや総合代理店と比べると低くなります。
メリットとしては、メーカー直販の為、様々な手続きが早い事や、イレギュラーな保険金や給付金に対応してくれることがあります。
営業マンからしつこい見直し提案を受けたら
これ、困ります~
どうすればいいんですかね。。。
本当に嫌でしたら、遠慮なく断ってください!
しかし、時として、しつこい見直し提案の真意に、相談者が気が付いていないリスクを見つけて、そのリスクを保険でカバーするために、提案しているケースがあります。
気が付いていないリスク?
多くの人は重要な事より、緊急性を優先する傾向があります。
つまり、死んだり、高度障害になるリスクを補填する保険より、病気やケガで入院、通院、手術のリスクを補填する保険を選ぶ傾向にあります。それは死亡や高度障害よりも、病気やケガで入院、手術するリスクの方が身近だからです。それが悪いとは言いません。しかし、病気やケガで必要とされる費用と、死亡して遺族が必要とする費用、高度障害になって必要とする費用を考えたときに、本来、保険で準備すべき保障は、なる確率は低くても、なってしまったら、とてつもなく大変になる方であると考えます。
保険営業マンがしつこい提案をしているときには、その目的が「見えないリスク(潜在化されたリスク)」を補填する提案である可能性もあります。
シミュレーションの確認ポイント
- 保険金(抑えたいリスクをカバーできているか)
- 保険期間(いつまで保険が有効なのか)
- 保険料払い込み期間(掛け金をいつまで支払うのか)
- 更新の有無(途中で掛け金が上がらないか)
- 保険料の支払いが困難になった時の対処方法
- 保険料払込免除特約の有無(3大疾病で保険料の払い込みが免除されるか)
- がん保険の保障範囲(保険対象外のガンがあるかどうか)
まとめ
人生の節目で考える、生命保険の見直しですが、実は最初にしっかりと土台を作れば頻繁に見直しすることはありません。生命保険が持つ特性である、「健康でないと購入できない」ことを考慮すると、なおさら土台が大切になります。
しかし、しっかりとした土台があっても、環境の変化で見直しが必要になる事があります。そんなときは、緊急性ではなく、重要性を優先した保険選びをすることをお勧めします。
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